K6AエンジンOH(分解編#3 クランクシャフトの取り外し~バルブトレインの分解)
続いて、分解編#3です。
フローチャートに従って《クランクシャフトの取り外し》から
まずロアクランクケースを外します。
矢印:
ボルト8本は外側から内側へ対角のボルトを順に緩めます。
注意:10mmの12角ソケットを使用します。
丸印:
ボルト4本を緩めます。
注意:8mmの12角ソケットを使用します。
8mmのボルト(4本)はプリコートされているので再使用不可です。
エンジンスタンドから降ろします。
シリンダブロックとロアクランクケースを分離します。
クランクシャフトを取り外します。
クランクシャフト:
ジャーナルとピン共に焼け、擦れ、傷、無し
カウンターウェイトに若干の錆びのような汚れが気になります。
シリンダブロック側のベアリング:
焼け、擦れ、傷、無し 良好です。
ロアクランクケース側のベアリング:
焼け、擦れ、無し 良好です。
クランクプーリ側から4番目のベアリングに傷があります。
スラストベアリング:
良好です。
ロアクランクケースに付いているオイルフィルタギャラリを外します。
1番シリンダ:
2番シリンダ:
3番シリンダ:
全てのシリンダにクロスハッチが健在で良好です。
次はちょっとした難関《バルブトレインの分解》です。
一般的にはバルブスプリングコンプレッサーと言う専用工具を使用してバルブコッタを外しますが、私はそんな使用頻度の少ない工具にお金を使いたくないので写真のようなSSTを自作してバルブトレインを分解します。
見ての通りSSTって程の物ではありません。
塩ビパイプVP13にチーズを付けただけです。
塩ビパイプの中にマグネット式のピッキングツールを入れて使用します。
塩ビパイプの長さ:
ピックアップツールの先端と塩ビパイプの先端とツライチに合わせてケツの部分が写真のように少し出る長さが使い易いです。
使い方:
まず、バルブの下にウエスをダンゴ状にして敷きます。
そして写真のように押し込むだけです。
バルブコッタがマグネットに着きます。
バルブスプリングリテーナとバルブスプリングを取り出します。
写真ではまだバルブスプリングシートが残っていますが、バルブステムシールを抜き取った後からマグネット式のピッキングツールで取り出します。
これを12ヶ所繰り返します。
続いての難関:
バルブステムシールの抜き取りです。
ここも一般的にはバルブステムシールリムーバーと言う専用工具を使用して引き抜きますが、先と同じ理由で私はそんな高価な工具は持っていません。
写真のように手持ちの強力なペンチで引き抜きます。
その強力なペンチはエンジニア社製のネジザウルス(型番:PZ-58)
この凶悪な歯先の形状でガッツリ喰い付きます。
取り外した部品を再組付けする時は元と同じ場所に取り付けます。
私は写真のような方法で場所ごとに整理しています。
最後の仕上げ:
液体ガスケットの残りカスをスクレーパーで削ぎ落とします。
けっこうめんどくさい
そうは言ってもこれは大切な作業です。
ボルト穴はタッピングしてネジ山を整えながら付着している汚れを取り除きます。
再組付けする時に適正なトルクで締めるためにも必要な作業です。
それでは今日はこのへんで (^O^)